2019年11月26日火曜日

ブラザー DC-3500 の修理 (10年くらい使用して音が高い)

ブラザーの大型刺しゅう機付き、コンピューターミシンDC-3500 動作音が高くなったので内部の掃除と点検・注油でお預かりしました。
上フタと前面カバーを取り外しました。
約10年ご使用で内部にホコリが溜まって、掃除と注油が必要です。
カマ周辺です。
頻繁にご使用のようでホコリが溜まっています。これぐらいホコリが溜まると何らかの支障が出てきます。
前面カバーの内側です。
若干のホコリがありますが、問題なさそうです。
はずみ車の部分です。
刺しゅう用の下糸が絡んでいました。ほとんど支障ないと思いますが、除去しています。
カマ内部は定期的に掃除を行なわれてあり、目立ったホコリはありません。
針棒クランク(針上下させるパーツ)付近です。
糸が絡んでいます。
これは除去しないと、糸を引き寄せてしまいます。
クランクに絡んでいた糸を除去しました。
絡んだ糸は無くなることも、自然に外れることもありません。 この部分の糸絡みはいろんな故障の原因です。 きれいに除去しました。
糸切りメス交換です。
自動糸切りボタンを押して糸を切る時、スムーズに切れませんでした。 何か引っ掛かるような感じです。
使用しているのは、カッターの刃です。
交換後は、スムーズに問題なく切れています。
カマ周辺の掃除と注油、グリスの補充を行いました。
針を取り付け手で回すのカマに針が当たっていました。
何度も針が折れて落ちる位置が後方にズレているようです。
針落ち位置を修正しています。
カマにも当たらないよう調整しています。
試し縫いを行い、問題なく縫えています。
問題の動作音も軽くなっています。 ボタンスイッチ、タッチパネル等も問題ありません。
修理完了です。 末永くご使用ください。

2019年11月23日土曜日

ベビーロック 衣縫人 4本糸ロックミシン 下ルーパーの糸が通らない

ベビーロック 衣縫人 「下ルーパーの糸が通らない」ミシンをお預かりしました。
現行商品は、改良されて詰まりにくくなっています。 ご安心ください。
付属のルーパー糸通しを使いましたが、詰まった部分が固く通りません。
ルーパー部分のみ取り外しました。
手持ちの針金で押し出そうとしましたが、固くて出てきません。
新しいルーパー糸通し具を使い、ゆっくり慎重に曲がらないように少しずつ押して、やっと出てきました。
出てきた糸を引っ張り出すとこんなに詰まっていました。
なかなか取り出せないはずです。
全て取り出しました。
こんなに詰まっていたことはありません。
これで何とか縫えるようになりそうです。
底部分です。
お客様がカバーを取り外して掃除されてあります。 目立ったホコリはありません。
針棒、ライト付近です。
ホコリが積もっています。 20年くらい点検・整備をされてないようです。
糸調子ダイヤル付近もホコリがたくさんです。
糸調子ダイヤルの裏側です。
よく見ると糸調子皿に糸ホコリがたくさんあります。
拡大して撮っています。
矢印部分の糸調子皿にホコリが詰まっています。きれいな糸調子は取れていたのかな?
乾いたホコリなのできれいになりそうです。
掃除した下ルーパーを矢印部分に取り付けます。同時に糸通しパイプも連結させます。
取り付けましたが、上ルーパーと交差する時に擦ってしまいます。下ルーパーの取り付け土台のネジを緩め、若干前方にそして右に動かして交差する時に擦らないように調整しています。
調整後、糸通しの点検を行いました。
上下ルーパーとも、勢いよく糸が出てくるようにしています。
針留め部分です。連結のピンが飛び出しています。押すと中に入りますが、このままだと外れて他のパーツを痛めてしまいます。
内側からネジを締めて固定しています。
掃除した前面です。
糸調子皿の裏側です。
左側面の送り装置部分です。
乾いたホコリだったので、見違えるほどきれいになっています。 全体の注油を行い軽快に動くようになっています。
糸調子を合わせ、メスを交換して試し縫いを行いました。 新品の状態には戻りませんが、快調に縫えています。   まだまだご使用できそうです。末永くご使用ください。

2019年11月14日木曜日

シンガー SN-117の修理 縫い目の裏がループになる

シンガーSN-117 縫い目の裏がループ状になるミシンをお預かりしました。
また、針穴糸通しが通らない症状もありました。
症状確認のために試し縫いを行ったところ、カマ付近から若干の異音がします。
表の縫い目は少し乱れていますが、ひどい状態ではありません。
縫った生地を裏返しにしました。
不定期に糸がループ状になっています。
このような場合は、糸がどこかに引っかかっているか、上糸調子が弱いか、油切れです。
針板部分です。
矢印の先に小さなバリが出ています。これに糸が引っ掛かっり、裏糸のループ状になる原因のようです。
ヤスリを使い研磨しました。
バリが出来た原因は、段差部分などを縫って針が斜めに入り、針落ち穴の手前に当たってできたものです。
針板を研磨したあと、直線を右側に縫ってみました。糸締まりもよく、異音も消えています。
布の裏側です。
ループ状の縫い目も無くなりきれいに縫えています。 裏がループ状になる場合のひとつに、針板のキズがあり、研磨で改善します。
針穴糸通しですが、調整の前に針の取り付け位置を確認すると最上点に達していませんでした。 針穴糸通しの不具合の場合、位置の確認と針交換で直る場合があります。
底のカバーを取り外しました。
経年のホコリがあり、掃除と注油を行っています。
モーターベルトなどの張り具合、回転軸への注油、内部の糸絡み、ホコリなどの除去と点検を行っています。
組み立て後、試し縫いを行い、模様ズレ、糸調子、下糸巻き、ボタンスイッチなどの点検を行い問題なく縫えています。  まだまだご使用できそうです。末永くご使用ください。

ジャノメ ME-830 天びんの奥に糸が絡んだ

ジャノメ ME-830 天びんの奥に糸が絡んだミシンをお預かりしました。

左側のカバーを取り外しました。
針棒クランク付近に白い糸が絡んでます。
内部に噛んでいるようでピンセットを使っても外れません。
前面パネルを取り外し、糸調子ダイヤル装置も外さないと取れそうにありません。
糸調子ダイヤル装置を取り外し、矢印の2つのネジを緩めて隙間をつくり取り外します。
針棒クランクに隙間をつくりました。
これで簡単に糸が外れます。
クランクの奥まで糸が噛んでしまうと、ここまで分解しないと取れません。
きれいに取り外しました。
(糸が絡んだら取り外さないと、伸びた糸が縫っている糸を引き寄せて、何重にも絡むことがあります。)
内部の簡単な掃除と注油・点検を行い、前面パネルを取り付けました。

試し縫いを行うとカマ付近から異音がしましたので、内ガマを確認すると深いキズがあり、新しい内ガマと交換しました。
天びんクランクに糸が絡んだミシンの修理でしたが、そのままの状態ですと回転不良を起こして動かなくなる場合があります。ご注意ください
整備後は新品の様に快調に縫えました。